硬質クロムめっき

多くの機械的特性をもつ代表的な工業用めっきで、比較的厚い(JISでは5ミクロン 以上と規定)めっきである。

優れた特性
  • めっき面が清涼感のある青白色の冴えた光沢である。
  • 空気中・水中で変色しにくいため、製品面を永く保護する。
  • 硬度が高く、摩擦に強く摩耗しにくい。
特長 Features
1
高硬度

ヴィッカース硬度800~1000Hvの硬さ。通常の電気めっきの中ではもっとも高硬度で、熱処理鋼、窒化鋼などより遥かに硬度が高い。

硬度: 800~1000Hv
2
耐摩耗性

クロムめっきに要求されるもっとも重要な基本的性質であり、きわめて良好である。耐久性に優れ、繰り返しの摩擦や接触にも強い特性を持つ。

耐久性: 非常に高い
3
耐熱性

加熱によって、皮膜中に吸蔵されている水素の放出が起こり、硬度が低下する。300度以上に達すると、硬度は急激に低下し、耐摩耗性も低下する。

最適温度: 300℃以下
4
耐食性

塩化物以外の化学薬品に対して安定であり、大気中でも10ミクロン以上の厚さをもつ皮膜は比較的良好な耐食性を示す。

最低膜厚: 10μm以上
5
肉盛性

寸法修正・修理を目的としている場合、多層の積層が可能。厚さは0.5mm~1.0mmが可能。部品の再生や寸法調整に最適。

可能厚さ: 0.5~1.0mm
6
型離れ性

大変優れており、金型においては硬度が同時に必要となるため、幅広く活用されています。特に樹脂製品の成形金型に適しています。

用途: 金型・成形金型
研磨の種類 Polishing Types
梨地仕上げ
Pear Skin Finish

素地に鉄・砂・ガラスなどの粒子を吹き付けて、表面を粗する方法。表面に微細な凹凸を作り出し、独特の質感と機能性を持たせます。

どんなときに梨地をするの?
艶消しのめっき処理を行いたい場合。
面粗度指定の要求がある場合。
めっき後、「すべり性」を向上させたい場合。
バフ仕上げ
Buff Finish

エメリー・糸バフなどを用い、表面を磨き光沢を出す方法。均一で美しい光沢面を実現し、製品の質感と見た目の高級感を向上させます。

どんなときにバフ仕上げをするの?
素材表面を滑らかにしたい場合
素材表面に光沢をだしたい場合
めっき後に光沢を出したい場合