ケミカル-Fとは?
テフロンの潤滑性・撥水性・非粘着性機能を付与した複合皮膜
低摩擦性であり、耐摩耗性・耐蝕性・熱伝導性に優れている。
電導性を有し消音及び静電防止に効果がある。
CHEMICAL-Fは、無電解ニッケル皮膜中に、フッ素樹脂(PTFE)の微粒子を均一に分散共析させた複合めっき皮膜である。
共析されたPTFEの特性とその耐久性が評価され、従来にない表面処理が可能となり広い分野に使用されております。
ケミカル-Fの特徴
| 施工母材 | ステンレス・アルミ・アルミナ・鉄・その他 金属加工品 |
|---|---|
| 自己潤滑性 | めっき皮膜中にPTFE粒子を含有するためカジリ・焼き付き防止に対して大きな効果を発揮する |
| 低摩擦 | 皮膜表面ばかりでなく、膜厚方向にも潤滑性のあるテフロン粒子を均一に分散している |
| 耐摩耗性 耐損傷性 | C-Fは樹脂やテフロンコーティングに比較して傷がつき難く、剥離がない |
| 耐蝕性 | ピンホールがなく、つきまわりが均一 |
| 密着性 | PTFEの微粒子一個一個をマトリックスが固く保持している また、そのマトリックスが金属であるため、素地とCHEMICAL-Fの密着性は強固である |
| 膜厚均一性 | 母材の形状にかかわらず穴の中・パイプ・エッヂなどでも、膜厚は均一 |
| 高寸法制度 | 任意の厚さに正確にコントールできる |
| 電導性 | マトリックスが金属(ニッケルメッキ)であるため、静電気やホコリを嫌う |
| 静電防止効果 | 半導体部品、精密機器へ使用できる |
| 熱伝導性 | テフロンコーティングに比べ、優れている |
| 消音効果 | C-F同士の摺動や他の金属との接触などにおいて、PTFEの緩衝と潤滑性により消音効果がある |
| 撥水・撥油性 | 接触角はテフロンコーティングとほぼ同等である |
| 耐熱温度 | 450度 |
撥水性
撥水性試験(接触角測定)
測定試料:SUS.304 #400バフ仕上げ
(通常テフロンコート仕上げ)
測定温度:25℃
| 接触角[°] | |||
|---|---|---|---|
| n=1 | n=2 | n=3 | 平均値 |
| 109.0 | 108.4 | 108.1 | 108.5 |
撥水性試験(接触角測定)
測定試料:SUS.304 #400バフ仕上げ
(CHEMICAL-F仕上げ)
測定温度:25℃
| 接触角[°] | |||
|---|---|---|---|
| n=1 | n=2 | n=3 | 平均値 |
| 131.9 | 131.9 | 131.5 | 131.8 |
皮膜組成と特性
| CHEMICAL-Fの種類 | CHEMICAL-F1タイプ | CHEMICAL-F2タイプ | CHEMICAL-F3タイプ |
|---|---|---|---|
| テフロンの含有量 | 30~35Vol% | 20~25Vol% | 3~7Vol% |
| 硬度 | 熱処理前 | 熱処理前 | 熱処理前 |
| HV300~250 | HV250~350 | HV400~500 | |
| 熱処理後 | 熱処理後 | 熱処理後 | |
| HV300~350 | HV400~500 | HV750~900 | |
| 摩擦係数 | 0.07~0.08 | 0.08~0.10 | 0.10~0.12 |
| 特徴 | 自己潤滑性・離型性 | 自己潤滑性・離型性 | 自己潤滑性・離型性 |
| 非粘着性・撥水性 | 非粘着性・撥水性 |
CHEMICAL-Fの種類
CHEMICAL-F1タイプ
テフロンの含有量
30~35Vol%
硬度 (熱処理前)
HV300~250
硬度 (熱処理後)
HV300~350
摩擦係数
0.07~0.08
特徴
自己潤滑性・離型性
非粘着性・撥水性
非粘着性・撥水性
CHEMICAL-F2タイプ
テフロンの含有量
20~25Vol%
硬度 (熱処理前)
HV250~350
硬度 (熱処理後)
HV400~500
摩擦係数
0.08~0.10
特徴
自己潤滑性・離型性
非粘着性・撥水性
非粘着性・撥水性
CHEMICAL-F3タイプ
テフロンの含有量
3~7Vol%
硬度 (熱処理前)
HV400~500
硬度 (熱処理後)
HV750~900
摩擦係数
0.10~0.12
特徴
自己潤滑性・離型性
※CHEMICAL-Fシリーズについては、使用用途に対応できる3タイプの表面処理が可能です。
注意:熱処理については、形状・材質により、熱処理温度変更となります。
※CHEMICAL-Fシリーズについては、使用用途に対応できる3タイプの表面処理が可能です。熱処理については、形状・材質により、熱処理温度変更となります。
各種機能めっきの特性比較
一般的な無電解ニッケル皮膜と比較した場合
- ☆☆☆ ・・・非常に優れている
- ☆☆ ・・・優れている
- ☆ ・・・同等
- ▲ ・・・劣っている
- ー ・・・データなし
スクロールできます
| 要求特性 | CHEMICAL-F1 | CHEMICAL-F2 | CHEMICAL-F3 |
|---|---|---|---|
| 皮膜硬度 | ★ | ||
| 電導性 | ★ | ★ | ★ |
| 潤滑性 | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
| 離型性 | ★★★ | ★★★ | ★ |
| 耐熱性 | |||
| ボンディング性 | |||
| 低反射性 | ★★ |
