【めっきの種類2】ケミカルーF(chemical-F)

CHEMICAL-COAT-F

・ケミカルーF(chemical-F)とは?

テフロンの潤滑性・撥水性・非粘着性機能を付与した複合皮膜
低摩擦性であり、耐摩耗性・耐蝕性・熱伝導性に優れている。
電導性を有し消音及び静電防止に効果がある。
CHEMICAL-Fは、無電解ニッケル皮膜中に、フッ素樹脂(PTFE)の微粒子を均一に分散共析させた複合めっき皮膜である。共析されたPTFEの特性とその耐久性が評価され、従来にない表面処理が可能となり広い分野に使用されております。


特長

施工母材 : ステンレス・アルミ・アルミナ・鉄・その他 金属加工品
自己潤滑性 : めっき皮膜中にPTFE粒子を含有するためカジリ・焼き付き防止に対して大きな効果を発揮する
低摩擦 : 皮膜表面ばかりでなく、膜厚方向にも潤滑性のあるテフロン粒子を均一に分散している
耐摩耗性
耐損傷性
: C-Fは樹脂やテフロンコーティングに比較して傷がつき難く、剥離がない
耐蝕性 : ピンホールがなく、つきまわりが均一
密着性 : PTFEの微粒子一個一個をマトリックスが固く保持している
  また、そのマトリックスが金属であるため、素地とCHEMICAL-Fの密着性は強固である
膜厚均一性 : 母材の形状にかかわらず穴の中・パイプ・エッヂなどでも、膜厚は均一
高寸法制度 : 任意の厚さに正確にコントールできる
電導性 : マトリックスが金属(ニッケルメッキ)であるため、静電気やホコリを嫌う
静電防止効果 : 半導体部品、精密機器へ使用できる
熱伝導性 : テフロンコーティングに比べ、優れている
消音効果 : C-F同士の摺動や他の金属との接触などにおいて、PTFEの緩衝と潤滑性により消音効果がある
撥水・撥油性 : 接触角はテフロンコーティングとほぼ同等である
耐熱温度 : 450度

摩擦係数比較図

撥水性

撥水性試験(接触角測定)
測定試料:SUS.304 #400バフ仕上げ
(通常テフロンコート仕上げ)
測定温度:25℃
接触角[ °   ]
n=1 n=2 n=3 平均値
109.0 108.4 108.1 108.5

撥水性

撥水性試験(接触角測定)
測定試料:SUS.304 #400バフ仕上げ
(CHEMICAL-F仕上げ)
測定温度:25℃
接触角[ °   ]
n=1 n=2 n=3 平均値
131.9 131.9 131.5 131.8

皮膜組成と特性

CHEMICAL-Fの種類 CHEMICAL-F1タイプ CHEMICAL-F2タイプ CHEMICAL-F3タイプ
テフロンの含有量 30〜35Vol% 20〜25Vol% 3〜7Vol%
硬度 熱処理前 HV300〜250 HV250〜350 HV400〜500
熱処理後 HV300〜350 HV400〜500 HV750〜900
摩擦係数 0.07〜0.08 0.08〜0.10 0.10〜0.12
特  徴 自己潤滑性・離型性 自己潤滑性・離型性 自己潤滑性・離型性
非粘着性・撥水性 非粘着性・撥水性

※CHEMICAL-Fシリーズについては、使用用途に対応できる3タイプの表面処理が可能です。
注意:熱処理については、形状・材質により、熱処理温度変更となります。

各機能めっきの特性比較

要求特性
CHEMICAL-F1 CHEMICAL-F2 CHEMICAL-F3

皮膜硬度

電導性

潤滑性

☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆

離型性

☆☆☆ ☆☆☆

耐衝撃性

     

耐熱性

ボンディング性

低反射性

☆☆    

光吸収性

     

一般的な無電解ニッケル皮膜と比較して

  • ☆☆☆・・・非常に優れている
  • ☆☆ ・・・優れている
  • ☆  ・・・同等
  • ▲  ・・・劣っている
  • 空欄 ・・・データなし