【めっきの種類2】無電解ニッケルめっき
・無電解ニッケルとは?
無電解ニッケルめっきは化学めっきともよばれ、文字通り電源を用いることなく、化学的還元作用により金属をめっきする方法である。無電解ニッケルめっきは工業用に広く用いられ、主に耐摩耗性と耐食性の付与を目的とする物に用いられる。
また、ほとんどあらゆる金属素材・プラスチック・セラミックス等にめっきすることが可能で、複雑な形状に対しても、膜厚のムラなく均一にめっきできる。加えて多くの機械的特性・電気特性・物理的特性などが評価されて、さまざまな分野で利用されている。
- 複雑な形状穴部のめっきつきまわりが良好
- 鉄、アルミ、真ちゅう、ステンレス等に対するめっきが大変容易
- 耐食性が優れる
- 熱処理により皮膜硬度、耐摩耗性を増す
ニッケル-クロム
・ニッケルークロムとは?
ニッケルは、めっきにおいてばかりでなく、ステンレス鋼や磁石鋼のような合金としても広く用いられる有用な金属である。
ニッケルは鉄に近い金属ですが、空気や湿気に対しては鉄よりはるかに安定であることから、めっきでは装飾、防食の両面に利用されている。
ただし、表面は空気中でわずかに変色するため、美観の付与と保持のためにクロムめっきを施す。
- ステンレス鋼・鋳物などの材質に対しても良好にめっき処理が出来る
- 「耐薬品性」がある
比較項目 | 電気ニッケルめっき | 無電解ニッケル |
エネルギー源 | 外部直流電源からの供給 | 還元剤によるイオンの還元 |
金属の供給源 | 陽極よりの溶解 | めっき金属塩を補給 |
厚さの均一性 | 不均一なめっきとなりやすい | 形状如何によらず、つきまわりは完全精度±10%以内 |
融 点 | 約1450度 | 約890度 |
硬 さ | Hv600 | Hv500±50 熱処理でHv1000程度 |